ストーカー事件、逮捕状の被害者匿名に 兵庫県警
逗子の殺人教訓に
兵庫県警は29日までに、今月摘発したストーカー規制法違反事件で、逮捕状を読み上げる際に被害者の個人情報が加害者に漏れないよう、被害者の氏名などの記載がない逮捕状の交付を裁判所から受けたと発表した。
神奈川県逗子市で11月に起きたストーカー殺人事件では、逮捕状に記載された被害者の転居先などを警察官が容疑者に読み上げていたことが発覚。警察庁は被害者に配慮した対応を全国の警察に指示している。
兵庫県警は今月、それぞれ県内に住む女性につきまとったとして、同県姫路市のアルバイトの男(30)ら2人をストーカー規制法違反容疑などで逮捕、送検した。
県警は裁判所へ逮捕状を求める段階から、請求書には被害者の氏名などを記載せず、裁判官に捜査資料や顔写真を示しながら口頭で説明。交付された逮捕状は被害者を「氏名秘匿(別添写真の女性)」となった。
県警は逮捕状請求の手続きに先立ち、被害者の女性に、請求書に氏名や住所を記載するか、写真を示して説明するか選んでもらったという。
被害者の女性は起訴状に名前が記載され、貼付された顔写真が加害者側に送付されることも避けるよう希望。男2人を起訴した神戸地検姫路支部は起訴状の被害者の名前を片仮名で記載。住所は書かず、写真も送付しなかった。〔共同〕