関電・九電にコスト削減徹底を要求 値上げ審査委
経済産業省は29日、家庭向け電気料金の引き上げを点検する電気料金審査専門委員会(委員長・安念潤司中大教授)を開き、関西電力と九州電力の審査を始めた。兵庫県の井戸敏三知事が「人件費や燃料費でさらなるコスト削減を十分に検討してほしい」と求めるなど出席者から経営合理化の徹底を求める厳しい声が相次いだ。
関電は家庭向け料金を平均11.88%、九電は同8.51%上げることをそれぞれ経産省に申請した。来年4月からの値上げを目指している。
29日の会合では関電と九電の代表が値上げの必要性を主張したのに対し福岡県の小川洋知事は「地域住民の生活や企業の国際競争力に多大な影響が及ぶ」と懸念を示した。大阪商工会議所の西村貞一副会頭は「節電疲れに大幅な料金アップが重なれば、地域全体の空洞化が加速する」と述べた。
値上げ幅を抑えるため原子力発電所の速やかな再稼働を促す声も出た。福岡商工会議所の山本駿一環境問題委員長は「(原子力規制委員会が)新たな安全基準の策定を急ぎ、停止中の原発の安全評価を着実、迅速に進めるべきだ」と指摘した。