トンネル崩落、ボルト腐食を見逃しか 事故後目視で発見
中央自動車道笹子トンネル天井板崩落事故で、中日本高速道路(名古屋市)が事故後に下り線を緊急点検した際、天井板のつり金具を固定する「アンカーボルト」の腐食を目視で見つけていたことが14日、中日本高速への取材で分かった。山梨県警の現場検証で事故が起きた上り線でも腐食したボルトが発見されている。
中日本高速は、9月の詳細点検で上下線ともに作業員が天井板に上がって目視検査したが「さびなど損傷はなかった」としており、点検時に腐食を見逃した疑いが強まった。
中日本高速によると、事故後の下り線の緊急点検で、さびなどの腐食により断面欠損したアンカーボルトを目視で22カ所発見。他に脱落2カ所、緩み608カ所など、腐食を含め計670カ所に上る不具合を確認した。
同社の「保全点検要領」は、「天井板の損傷はつり金具などの腐食・破損が最も心配される」と指摘し、点検時に注意するよう促していた。〔共同〕