地球深部1400キロ地点にも水 愛媛大が解明
地球内部には、地表から深さ約1400キロの高温高圧の地点にも、水分があるとみられることを、愛媛大地球深部ダイナミクス研究センターなどのチームが解明し、2日付の英科学誌ネイチャージオサイエンス電子版に発表した。
チームによると、海などの水はプレート(岩板)の沈み込みにより、鉱物の構成物の一つとして地球内部のマントルに運ばれる。深くなるにつれ温度や圧力が上昇し水分が抜けるため、これまでは約1250キロが限界とされてきた。水の惑星・地球の誕生や歴史の謎解明につなげたいという。
チームは、岩板中に存在し、水分を含む性質がある蛇紋石と同じ成分を持った鉱物を作り、装置にかけて高温、高圧にして深さ約1400キロの環境をつくり出した。
するとこの鉱物が水分を含む別の鉱物に変化したため、約1400キロの地点でも水分があると判断した。できた鉱物は「H相」と名付けた。
H相にアルミニウムを加えると、さらに高温、高圧の環境でも水分が抜けなかった。マントルにもアルミニウムがあることから、深さ2900キロ付近にある地球の核との境界までH相により水分が運ばれるとみて、今後検証する。
地表から地球中心までは約6400キロ。チームによると、地球内部の水分量は海水の数倍から数十倍とされるが詳細は不明。今回の発見で水量はさらに多いと考えられる。センターの西真之研究員は「深部の水量の把握や、なぜ地球に大量の水があるのかの解明につなげたい」と話している。〔共同〕