パナソニック今期最終赤字7650億円に 1950年5月期以来の無配
パナソニックは31日、2013年3月期の連結最終損益(米国会計基準)が7650億円の赤字(前期は7721億円の赤字)になりそうだと発表した。12年4~9月期に計上するのれん代の減損損失計上や繰り延べ税金資産の取り崩しが響く。通期の最終損益は2年続けて7500億円を超す巨額の赤字を計上することになる。
併せて年間配当はゼロ円(前期実績は10円)にすることも発表した。同社の無配は1950年5月期以来約63年ぶり。
連結売上高は前期比7%減の7兆3000億円を見込む。国内で薄型テレビをはじめデジタル機器の不振が続くほか、海外は景気減速の影響で家電製品販売が当初予想を下回る見通し。
記者会見した河井英明常務は「中国で日本製品の不買運動の影響は下期に顕在化するとみている」との見通しを明らかにした。一方、事業構造改革の進展が寄与し、連結営業利益は3.2倍の1400億円を見込む。
同時に発表した12年4~9月期の連結決算(米国会計基準)は最終損益が6851億円の赤字(前年同期は1361億円の赤字)だった。事業構造改革の一環で、のれん代の減損損失が合計2378億円になった。加えて繰り延べ税金資産の4125億円を取り崩した。
売上高は9%減の3兆6381億円、営業利益は84%増の873億円だった。薄型テレビに加えてパソコンや基幹部品などデジタル機器が欧州を中心に「落ち込みが極端だった」(河井常務)。海外でのデジタル機器の不振が繰り延べ税金資産の取り崩しにもつながった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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