自民総裁「政権取れば大胆な金融緩和を約束」
日商会頭らとの懇談で
自民党の安倍晋三総裁は15日朝、都内で開いた日本商工会議所の岡村正会頭らとの懇談会で、日銀の金融政策に関して「政権をとった暁には日銀と政策協調を行い、大胆な金融緩和を行っていくことを約束する」と語った。
岡村会頭は足元の日本経済について「荒波にのまれる小舟になってしまう強い危機感を持っている」と強調した。「円相場は1ドル=85円もしくは90円の水準に是正するようにあらゆる政策を総動員して欲しい」と円高の早期是正を求めた。
それに対して安倍総裁は、日銀が10月30日の金融政策決定会合で決定した2カ月連続の金融緩和について「市場が織り込み済みになってしまう緩和だ」と指摘。その上で「基本的には2%、3%のインフレ目標を設定して、それに向かっては無制限に緩和していく(ことが必要)」と述べ、現状よりも踏み込んだ金融政策による円高阻止や株高、デフレ脱却を目指す考えを示した。
野田佳彦首相が16日の衆院解散を表明したことに絡み、岡村氏は足元の景気情勢を踏まえて「国民の信を問い、決める政治、実行する政治、将来を明るくする政治をぜひとも実現して欲しい」と述べた。安倍総裁は「国民の信を得た新しい政権がしっかりとした予算を組んで、思い切った補正予算を組むことが求められている」との認識を示した。〔日経QUICKニュース(NQN)〕