肝腎同時移植が成功、脳死で国内初 50代女性に
岡山大病院
岡山大病院(岡山市)で1日午前、青森県の50代女性への国内初となる脳死での肝腎同時移植が始まり、同日深夜に終了した。同病院は2日未明の記者会見で「手術は成功と言える。容体は非常に安定している」と述べた。
移植された肝臓と腎臓は、四国地方の病院に頭部外傷で入院し臓器移植法に基づき脳死と判定された40代男性から提供された。
女性は慢性の肝不全と腎不全を患い人工透析が必要な状態で、同時移植を受けなければ救命できないと診断されていた。
岡山大病院によると、1日午前7時20分に女性の臓器を摘出する手術が始まり、40代男性から提供された肝臓と腎臓が午前7時53分に同病院に到着した。手術が終了したのは午後11時55分。
臓器提供者(ドナー)の男性は書面で臓器提供の意思を示していなかったが、家族が承諾した。
脳死での肝腎同時移植は2010年12月に大阪大病院が試みようとしたが、肝臓移植後に患者の容体が急変。腎臓移植の前に死亡したケースがある。〔共同〕