少年の保護観察取り消し　PC遠隔操作で静岡家裁支部

パソコン遠隔操作で横浜市のホームページに小学校襲撃予告が書き込まれ、少年（19）が誤認逮捕された事件で、静岡家裁浜松支部（桐ケ谷敬三裁判官）は30日、少年の保護観察処分を取り消す決定をした。成人の事件では「再審無罪」に当たる異例の措置。

少年の父親は弁護士を通じて「捜査の怠慢で誤認逮捕するという、あってはならない事態。徹底的な検証と意識改革をすべきだ」と捜査当局を批判するコメントを発表した。

家裁はこの日、あらためて審判を開かず、少年法に基づき取り消しを決定。桐ケ谷裁判官は決定理由で「資料を精査したところ、書き込みをしたのは少年ではなく、犯行声明を出した人物である可能性が極めて高い」とした。

神奈川県警は7月1日、威力業務妨害容疑で少年を逮捕し、横浜家裁は同20日に少年の実家がある静岡家裁浜松支部に移送。同支部が8月15日、保護観察処分を決定した。しかし無実が判明し、横浜地検が今月23日、静岡家裁浜松支部に処分取り消しを求めていた。

横浜地検の堀嗣亜貴次席検事は「裁判所において適切に処理されたものと受け止めている」とし、神奈川県警警務課企画室の熊田嘉範副室長は「あらためて少年やご家族に心よりおわび申し上げる」とのコメントを発表した。〔共同〕