茨城の候補は高萩市 原発事故の廃棄物処分
東京電力福島第1原発事故によって茨城県内で発生した放射性セシウム濃度が1キログラム当たり8千ベクレル超の焼却灰など「指定廃棄物」について、環境省が最終処分場の建設候補地に同県高萩市の国有林野を選んだことが26日、関係者への取材で分かった。
候補地選定は栃木県矢板市に続き2カ所目。環境省の横光克彦副大臣が27日に橋本昌茨城県知事と草間吉夫高萩市長を訪問し、協力を要請する。
矢板市では関係団体が反対組織をつくり、白紙撤回を求める署名運動を展開。環境省の事前説明に対し、高萩市の草間市長も強い反対の意思を示しているといい、曲折が予想される。
茨城県によると、県内で保管している8千ベクレル超の焼却灰などは約3110トン。8月3日時点で、うち約1700トンが指定廃棄物になっている。
指定廃棄物は東北や関東など9都県で発生し、それぞれの都県内で処理する。このうち宮城、栃木、茨城、群馬、千葉の5県が地元の理解などを条件に最終処分場建設に同意。環境省は9月末までに候補地を選定する方針だったが、一部では選定作業が遅れる見込み。〔共同〕