全日空787発煙、日航機発火と共通点着目 安全委
全日空ボーイング787の発煙トラブルで運輸安全委員会は20日、電気系統の異常の有無を確認するためフライトレコーダー(飛行記録装置)のデータ解析を本格化させた。米ボストン国際空港の日航787出火トラブルとの共通点にも着目、米国の調査チームと連携して原因究明を進める。
安全委などによると、全日空機は操縦室計器などに電気を供給するメーンバッテリーが発煙元で、日航機は機体中央部にある補助動力装置(APU)用バッテリーから出火。両機とも金属製ケース内の電池8個が全て真っ黒に炭化していた。
バッテリーはいずれも同型の日本製リチウムイオン電池で、両機とも当時は稼働中のエンジンに装備された発電機から、機体に電力が供給されている状態だった。
787のバッテリーは、残量が少なくなると発電機から自動的に充電される。完了すると制御システムが働いて電力供給を遮断する仕組みだが、急に過剰な電流や電圧が加わると防ぎきれない場合もあるという。
安全委は、全日空機で過充電を防ぐシステムが正常に機能したかなどを確認するため、データを精査する方針で、作業は21日以降も続く見込み。20日は発煙の原因特定を目指し、機体前部の排気口付近に付着したすすの成分分析も進めたという。〔共同〕