「石・石対決」軸に5人の争い 自民総裁選14日告示
自民党は谷垣禎一総裁の任期満了に伴う総裁選を14日午前に告示する。安倍晋三元首相、石破茂前政調会長、石原伸晃幹事長、林芳正政調会長代理、町村信孝元外相の5人が13日までに出馬に名乗りを上げた。自民党が次期衆院選で比較第1党となれば、新総裁は「次の首相」の有力な候補となる。選挙戦は石原氏と石破氏の対決を軸に展開する見通しだ。
消費増税を含む社会保障と税の一体改革をめぐる民主、公明両党との3党合意の扱いや、原発再稼働といった政策が争点となる。地域政党「大阪維新の会」が結党を宣言した「日本維新の会」など第三極との関係を含む衆院選後の政権枠組みのあり方も問われる。
各陣営は13日も支持拡大に努めた。安倍氏は支援者に決意を訴えるため地元の山口県下関市入り。地方を重視する石破氏は講演で水戸市や神奈川県横須賀市を訪れ、石原氏や林氏は支援要請のため議員会館のあいさつ回りに努めた。町村氏は、海部俊樹元首相を訪ね、出馬の決意を伝えた。
各派閥も対応を固めつつある。古賀派の古賀誠元幹事長は林氏の支持を表明。麻生、高村両派は安倍氏支持を決めた。伊吹派は3党合意を堅持する候補の支援を条件に自主投票とした。もっとも、今の派閥にかつてのような結束力はなく、独自の判断で行動する議員も少なくない。
選挙戦は主要派閥に影響力を持つベテラン勢を後ろ盾とする石原氏と、地方票で優位に立つとみられている石破氏による「石・石対決」を軸に展開する見通しだ。
ただ谷垣氏を出馬断念に追い込んだ石原氏は党内の批判にさらされている。川崎二郎元厚生労働相ら谷垣氏に近い議員約10人は13日、都内のホテルに集まり「石原氏は支援しない」との認識で一致。麻生太郎元首相は記者団に「石原氏は『平成の明智光秀』といわれている。私の人生哲学に合わない」と批判した。
投開票日は26日。国会議員199票と地方300票の計499票で争う。地方票は党員の数に応じて都道府県連に割り振られる。1回目の投票で過半数を得る候補がいない場合は、1位と2位の決選投票となる。