計画段階の原発、新増設に含み 経産相
枝野幸男経済産業相は21日の閣議後の記者会見で、着工の準備をしている計画段階の原子力発電所の建設を認めるかどうかについて「地域ごとに要望や事情が異なるので、丁寧に精査して結論を出さないといけない」と語った。19日には建設認可をおろさない方針を示していたが、一転して発言を修正し、計画段階の原発の新増設に含みを持たせた。
政府は革新的エネルギー・環境戦略で、「原発の新増設は行わない」との原則を打ち出した。Jパワーの大間原発(青森県大間町)など建設中の原発は建設継続を認めたが、建設前の原発も着工を認める可能性を示した。
経産相は原発立地地域への配慮を示したが、新増設をしないという原則の適用が早くもあいまいになりつつある。
政府がエネルギー・環境戦略を参考文書扱いとした点に経団連の米倉弘昌会長は「いちおう(原発ゼロは)回避できた」と発言した。経産相は「19日の閣議決定の形式で、(戦略についての)認識が変わったとするなら誤解だ」と語った。