津波発生時、海底から防波堤浮上 大林組など開発
大林組などは29日、大規模地震による津波警報などが発令された際、海中から地上に素早く浮き上がる特殊な防波堤を開発したと発表した。第1弾として和歌山県の下津港で設置工事を開始し、2020年春までに完成する。こうした防波堤を実用化するのは世界初といい、新たな津波対策として需要を開拓する。
太い鋼管を並列に並べた巨大な壁状の防波堤を海底に沈める。津波発生など非常時は地上のタンクから空気を送ると、数分程度で浮上する。逆に、排気すると海底に沈むシンプルな仕組みで、自在に防波堤を操れる。
防波堤の設置が不可能だった狭い港や河口部にも採用できる。環境負荷も少なく、景観も変わらないのが特徴だ。
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