黄色い腹・脚…佐渡に新種カエル 広島大など確認
広島大の三浦郁夫准教授らは11日、新潟県佐渡島にすむカエルが新種だとわかり、「サドガエル」と名づけたと発表した。腹や脚が濃い黄色なのが特徴。佐渡島で脊椎動物の固有種が見つかったのは初めてという。
カエルの新種が発見されたのは、南西諸島を除けば、1990年のナガレタゴガエル以来22年ぶりとなる。
サドガエルは、かつて本州の池や水田に数多く見られたツチガエルによく似ているが、体長が4~5センチと一回り小さい。鳴き声もささやくようだという。
97年に関谷国男・新潟大教育支援員が佐渡島の田んぼで珍しいカエルを発見。研究グループが10年以上かけて、DNAを解析したり、ツチガエルとの交配実験を繰り返したりした結果、新種とわかった。少なくとも10万年以上前にツチガエルから種として分かれたとみている。
サドガエルは佐渡島の中央部だけにすみ、正確な生息数は把握できないという。島に放たれたトキが秋から冬にかけ、サドガエルをエサにすることから、発見者の関谷氏は「トキやサドガエルにとって、住みやすい環境を充実させることが重要だ」と話している。