日銀、基金を11兆円増額 2カ月連続緩和「デフレ脱却で政府と連携」
日銀は30日に開いた金融政策決定会合で、資産買入等基金の規模を11兆円増やし、91兆円とする追加の金融緩和を全員一致で決めた。前回は9月19日に基金を10兆円増やしており、金融緩和は2カ月連続。緩和を決めた理由は「持続的な成長経路に回復する軌道を踏み外さないようにするため」としている。公表文とともに日銀総裁と財務相・経済財政相との連名による「デフレ脱却に向けた取組について」を公表。デフレ脱却に向けて政府との協力関係をより強める方針を明らかにした。
日銀はまた、貸し出し増加を支援する資金供給の枠組み創設の検討を執行部に指示した。
基金増額の内訳は、長期国債が5兆円、短期国債が5兆円、株価指数連動型上場投資信託(ETF)が5000億円、不動産投資信託(REIT)が100億円、社債が3000億円、コマーシャルペーパー(CP)が1000億円。
基金の規模を91兆円にする期限は2013年末に据え置いた。
無担保コール翌日物金利の誘導目標を現状の0~0.1%前後に据え置く方針を全員一致で決めた。
新しい貸出供給枠は供給の上限を設けず、無制限とする方向。貸出金利は誘導目標金利(現在は0.1%)、貸出期間は取引先の希望に応じ最長4年までとする。資金供給は共通担保を担保とする貸し出しになる。
新しい貸出枠と既存の成長基盤強化の資金供給を「貸出支援基金」と名付ける。
日銀は15時30分に「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を発表する。15時45分からは白川方明総裁が会見し、金融緩和を決めた背景や経済・物価の見通しについて説明する予定。〔日経QUICKニュース(NQN)〕