敦賀原発、1月以降に正式見解 断層巡り規制委
原子力規制委員会は26日、2号機原子炉建屋の直下に活断層が走る可能性が高いとされた日本原子力発電敦賀原発(福井県)について、来年1月以降に専門家による正式見解を文書にまとめて報告する方針を示した。事業者は活断層認定に反発しており、敦賀原発の断層問題は同日に発足する新政権に持ち越されることになる。
敦賀原発をめぐっては、12月初旬に規制委の調査団が現地を精査。調査後の評価会合では、原子炉建屋直下の地層のずれは活断層の可能性が高いとの認識で一致した。真下に活断層があれば補強は困難で、2号機は廃炉を迫られる可能性もある。
これに対し敦賀原発を運営する日本原電は、「科学的な根拠が不十分」などとして規制委に対し公開質問状を提出。規制委が早ければ来年1月に示す見解にはこの質問状に対する回答も含まれるもようだ。日本原電側は独自の断層調査を続ける意向を示しており、徹底抗戦の構え。規制委と事業者の対立は必至で、安倍政権は難題を抱えることになる。
26日の規制委はこのほか、敦賀以外に現地調査した2原発の敷地内断層調査の進捗状況も公表した。全国で唯一稼働する関西電力大飯原発(福井県)は1回目の調査では結論が出ず、28~29日に2回目の現地調査をする。東北電力東通原発(青森県)は20日の評価会合で建屋近くに活断層が走る可能性が高いとの見解でほぼ一致、26日午後に事業者の見解を聞いて意見をまとめる。
規制委の発足後に進めてきた新ルール策定の審議状況も報告した。来年7月までに施行する原発の新安全基準は、来年1月中に骨子案をまとめて意見公募する。甲状腺被曝(ひばく)を防ぐ安定ヨウ素剤の事前配布方法や、緊急医療体制などについては、検討結果を速やかに原子力災害対策指針に反映する。