原発作業用ロボスーツ、被曝量半減 筑波大発VB
筑波大学発のベンチャー企業、サイバーダイン(茨城県つくば市)は、東京電力福島第1原子力発電所の事故現場で働く作業員向けの新しいロボットスーツを開発、18日に都内で公開した。金属を使った防護服を組み合わせたことで、放射線による被曝(ひばく)量を半分程度に減らせる。来年早々にも事故現場に試験導入する計画だ。
筑波大の山海嘉之教授が開発した身につけるロボット「HAL」を活用し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共同で原発災害用に改良した。下半身に取り付けると、足の動きに合わせて関節部分のモーターが作動する。
新型ロボットスーツはステンレスなどでできた重さ50キログラムの防護服などと組み合わせている。熱中症を防ぐため、防護服の中にファンで冷気を送り込む装置なども装備したほか、心拍数や体温などの情報を無線で送るセンサーを取り付けた。
ロボット部分の重さが20キログラム、冷却装置は10キログラムあり、フル装備だと80キログラムを超すが、作業員は着用しても重みを感じずに不自由なく動ける。装着するバッテリーの数によって、2~8時間稼働できる。
福島第1原発の事故現場で使われているポリエチレン製の簡易防護服では放射線被曝をあまり防げず、今後の廃炉に向けた作業の大きな障害になっている。
会場では、新型ロボットスーツを装着した人がさらに背中と腹に計40キログラムの重りを着けた状態で歩いたり膝を曲げたりしていたが、特に動きにくそうな様子はなかった。