原子力規制委が初の訓練 青森・六ケ所村、事故を想定
原子力規制委員会は5日、日本原燃の使用済み核燃料再処理工場(青森県六ケ所村)での事故発生を想定し、規制委の委員らが東京から遠く離れた現地の対策拠点などに駆けつける訓練を初めて実施した。
訓練は、青森県の下北半島で大地震が起き、再処理工場が全電源喪失したと想定して午前5時半に開始。更田豊志委員と原子力規制庁の職員らが、都内にある規制庁の緊急時対応センターに集合した後、車や自衛隊機を乗り継いで六ケ所村の日本原燃本社と事故の対策拠点施設(オフサイトセンター)に午前10時半すぎに到着した。
オフサイトセンターで規制庁の黒木慶英原子力地域安全総括官は「移動する時間帯や使う交通機関次第で到着時間は変わる。一つ一つ組み合わせを検討していきたい」と話した。
規制委は、原子力施設で事故が起きた場合、田中俊一委員長は首相官邸で、過酷事故に詳しい更田委員は事業者の本社でそれぞれ指揮を執る態勢で、今後、他の原子力発電所も対象に訓練を行う。
更田委員は5日午後、東北電力東通原発1号機(青森県東通村)を視察し、東日本大震災を受けた安全対策の実施状況を確認する予定。〔共同〕