細胞の形決める遺伝子発見 東大
東京大学の小田祥久助教と福田裕穂教授らは、植物の細胞の形を決める仕組みを突き止めた。4個の遺伝子が働き方を変え、自在な形を作り出していた。この仕組みを利用し、植物細胞の形をデザインしてバイオ燃料に適した植物などを作れる可能性がある。成果は米科学誌サイエンス(電子版)に発表した。
植物の細胞は動物と異なり、セルロースと呼ぶ繊維でできた細胞壁で覆われている。実験植物のシロイヌナズナの遺伝子の中から、細胞壁作りに関係がありそうな30個を選び、細胞に入れて実験。細胞壁の模様や形の形成に関わる4個を特定した。
この4遺伝子が作るたんぱく質が連携して働き、細胞壁を部分的に薄くしたり、穴を開けたりして模様や形ができていた。植物細胞は英国の博物学者フックが約350年前に見つけたが、形ができる仕組みは不明だった。