東電、豪火力発電の権益売却 合理化を加速
東京電力は29日、オーストラリアに持つ石炭火力発電事業の権益を豪エネルギー大手のAGLエナジーに売却したと発表した。約160億円を投資して権益の32.5%を保有していたが、すべて手放して経営合理化を加速する。売却額は非公表だが「適正な価格」(東電)としている。東電が海外の発電事業の権益を売却するのは初めて。
豪南東部ビクトリア州のロイ・ヤンA火力発電所(出力220万キロワット)の運営会社について、保有する全株式をAGLに売却した。海外発電事業は台湾やインドネシア、フィリピンなどの9件(保有分ベースで出力276万キロワット)に減った。AGLは今回、他の株主の権益も買い取り、100%を保有する。
東電は2004年4月に2億豪ドル(当時約160億円)を出資してAGLなどと組み、主に発電所の運営・保守を支援してきた。この支援は7年間継続する。発電所に隣接する炭鉱では低品質石炭が産出。東電はこの利用権は確保し、将来的に有効活用するための調査をAGLと進める。
関連企業・業界