日系自動車大手、中国で操業再開 減産は継続
【広州=桑原健】中国に進出するトヨタ自動車など日系自動車大手は8日、国慶節(建国記念日)の長期休暇明けを受けて、現地工場の操業を再開した。沖縄県の尖閣諸島を巡る日中対立で日系製品の買い控えが起きているため、休暇前からの稼働時間の短縮などによる減産を継続する。
広東省広州市のトヨタの工場前には午前8時(日本時間同9時)前後に社員寮などからのバスが続々と到着。生産抑制のための休暇前倒しを含め12日間休んだ従業員らが工場に入った。中国のトヨタの他工場や日産自動車、ホンダなど他の大手の工場も午前に操業を再開した。
トヨタ、日産、ホンダの大手3社は操業短縮などで生産を通常の半分程度に抑制。販売店の売れ行きや在庫の水準を見ながら生産正常化の時期を探る。8日出勤した大手の男性従業員は「先行きが見えず落ち着かない。早く元通りの操業に戻ってほしい」と話した。
8日にはキヤノンなど反日デモに触発された従業員の職務放棄や待遇改善要求が起きた日系電機大手の工場も操業を再開した。
経営コンサルタント会社、キャストコンサルティング上海(上海市)の前川晃広総経理は従業員の管理に悩む企業に「工場での仕事が中国を含む社会全体に役立つのだと理解させる努力が必要だ」と助言している。