大詰めの米大統領選、無党派層巡りせめぎ合い
【ワシントン=中山真】6日投票の米大統領選は4日、選挙戦最後の日曜日となり、民主党のオバマ大統領と共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事の両候補が支持獲得に向けてラストスパートを繰り広げた。激戦州の支持率はオバマ氏がややリードするものの、ロムニー氏との差はわずか。両候補は態度を決めていない無党派層をにらみ、大統領選後の超党派の政策実現の必要性などを懸命に訴えた。
オバマ氏は4日、首都ワシントンからニューハンプシャー、フロリダ、オハイオ、コロラドの各州へ展開。ニューハンプシャーの遊説では「もし共和党が私と一緒に中間所得層を支援するなら私は何も言うことはない」と力説。「私が大統領でいる限り、この国を前に進めるために、どの政党とも一緒に働く」と訴え、選挙後は共和党の協力取り付けに全力を挙げる考えを示した。
ロムニー氏は激戦州のアイオワ、オハイオ、ペンシルベニア、バージニア各州を遊説。オハイオでは「オバマ氏が再選されても何もできない。彼は議会を無視し、攻撃し、非難してきたからだ」と主張。「私が大統領になれば共和、民主両党の議会指導部と定期的に意見を擦り合わせる」と述べ、政権運営に自信を示した。
両候補が選挙戦の最終盤に超党派の政策実現を訴えるのは、最後まで態度を決めかねている有権者に多い無党派層に照準を合わせたもの。無党派層に党派色を強く訴えるのは得策ではないという判断だ。
大統領選と同日の投票となる上下両院選では、引き続き両院で多数派が異なる「ねじれ」が続く可能性が高い。次期大統領にとって議会対策が最大の難関になるとの観測も背景にある。
インターネットの政治専門サイト「リアルクリアポリティクス」によると、4日時点の全米の支持率平均はオバマ、ロムニー両候補がそれぞれ47.9%、47.4%と拮抗。ただ選挙戦のカギを握る激戦州を見ると、大票田のオハイオ州をはじめ、オバマ氏が多くの州でやや優位を保っている。