悪質事故厳罰化と少年の有期刑引き上げ諮問 法制審
滝実法相は7日、無免許運転など悪質な交通事故の罰則を強化する刑法改正と、少年事件の有期刑の上限を引き上げる少年法改正を法制審議会(法相の諮問機関)に諮問した。法制審は部会を設けて審議。答申を受け、法務省は来年の通常国会への法案提出を目指す。
少年法改正ではほかに、検察官や国選付添人の弁護士が審判に立ち会える事件を、殺人など凶悪事件だけでなく、傷害や窃盗などにも拡大する。
今年4月に京都府亀岡市で無免許運転の車にはねられ児童ら10人が死傷した事故で危険運転致死傷罪(最高刑懲役20年)の適用が見送られたことなどを受け、同罪より罰則が軽く、自動車運転過失致死傷罪(同7年)より重い「準危険運転致死傷罪」の創設を検討。
危険運転致死傷罪の適用要件の拡大や自動車運転過失致死傷罪の法定刑引き上げも議論する。
少年法は、犯行時に18歳未満だった少年に対して無期懲役・禁錮刑を言い渡すべき場合、10年以上15年以下の有期刑にできるとする規定を「15年以上20年以下」にする。
判決時に20歳未満の少年に3年以上の有期刑を言い渡す場合に刑期に幅を持たせる不定期刑の規定は、短期5年、長期10年の上限をそれぞれ10年と15年に引き上げる。