世界の食料価格10%上昇 7月、禁輸で一段高も
【ワシントン=共同】世界銀行は30日、トウモロコシや大豆の価格高騰で7月の世界の食料価格が前月に比べ10%上昇したと発表した。米国や東欧で干ばつ被害が広がっていることが原因。穀物不足による輸出禁止などで事態が悪化すれば、一段と上昇する懸念があるという。
キム世銀総裁は、世界の貧困層の「健康と生活が脅かされている」との声明を出し、打撃を和らげるための対策を打つよう各国に呼び掛けた。
世銀の調査によると、7月はトウモロコシと小麦の価格が25%、大豆は17%上昇。主要輸出国である米国が深刻な干ばつに見舞われたほか、ロシアやウクライナでも日照り続きで小麦の生産減が見込まれることが響いた。調査した中で価格が下がったのはコメだけだった。
世銀は現時点で、食料価格の高騰が国際問題となった2008年のような事態は想定していないが、穀物の禁輸が広がったり、南半球でも生産が減少したりすれば「08年のように著しい穀物価格の上昇を招く」と警告している。