名古屋でも中部電課長が発言 エネ政策の意見聴取
政府のエネルギー・環境会議(議長・古川元久国家戦略担当相)は16日、中長期のエネルギー政策を巡り第3回の意見聴取会を名古屋市で開いた。公募で選ばれて意見を述べた9人の中に中部電力の原子力部門の課長がおり、原発推進の立場で意見を表明すると、会場は一時騒然とした。
聴取会には86人が参加し、政府から古川国家戦略担当相らが出席した。2030年時点の原発の依存度を0、15、20~25%とする政府の3つのシナリオについて9人が順に発言。中部電の課長は個人の立場で参加したと強調したうえで、20~25%に賛同し「0%は破綻したシナリオ」などと主張した。会場からは「やらせではないか」といった声が上がった。
事務局は人選に関して「無作為で抽出した結果で、恣意性は一切ない」と説明。本人から事務局に自らが中部電社員であるとの申し出が2度あったが、個人の見解を述べるとの条件で参加を認めた。中部電は「会社の指示は一切なく、中部電の意見ではない」と説明している。
15日に仙台市で開かれた意見聴取会でも、東北電力の企画部長が原発推進に関する意見を表明し、進行が一時中断する騒ぎとなった。