少年の有期刑引き上げ検討 法務省、法制審諮問へ
滝実法相は24日の閣議後の記者会見で、少年法が最長で懲役・禁錮15年以下としている少年事件の有期刑について「少年の立ち直りのため現在のような低い量刑でいいのかという議論はある」と述べ、引き上げを検討していることを明らかにした。少年による凶悪犯罪が後を絶たない中、裁判員裁判を経験した市民や犯罪被害者から「成人に比べて量刑が軽すぎる」との指摘があった。
近く法制審議会(法相の諮問機関)に諮り、有期刑の引き上げを柱とした少年法改正案の国会提出を目指す。
少年法は刑事罰を犯した「触法少年」の更生に重点を置くため、犯行時に18歳未満だった少年に対して無期刑を言い渡すべき場合でも10年以上15年以下の有期刑にできると規定。また、判決時に20歳未満の少年は3年以上の有期刑とすべき場合は刑期に幅を持たせる不定期刑とし、最長10年以下とするなど、成人に比べ量刑を軽減する。
成人については2004年の刑法改正で、単独の罪の有期刑の上限が15年から20年に、複数の罪を犯した場合の有期刑の上限が20年から30年にそれぞれ延長されるなど罰則が強化されている。
少年事件を巡っては、1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件など少年による凶悪犯罪が相次いだことを受け、刑事処分や少年院送致の対象年齢を引き下げるなど厳罰化の流れにある。量刑についても成人同様に罰則強化を求める声が犯罪被害者などから寄せられていた。