緊急時原発作業、安全対策強化を　厚労省が通知

厚生労働省は10日、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、ほかの電力会社や、事故が起きた際の収束作業などを請け負う事業者に対し、緊急時に備えた安全対策の強化を求めると発表した。線量計を十分に用意しておくことや、健康診断を確実に行うために、下請け作業員を把握する手段を取り決めることなどについて、定期的に自主点検を行い結果を報告させる。

同日、原発などを所管する全国の22労働局に対し、事業者への指導を強化するよう通知した。

福島第1原発では事故直後、警報付き線量計（APD）の数が足りず、作業員の被曝（ひばく）線量を測れない時期があった。このためAPDを十分に確保することや、ほかの施設と貸借協定を結ぶことなどを求める。

福島第1原発では作業員が線量計に鉛のカバーを付けていた問題が明らかになっているが、厚労省は「今回の対策の対象にはなっていないが、現在行っている調査の結果、対策が必要であれば通知を改正する」としている。