政府、北朝鮮代表団に特例ビザ 女子サッカーU-20W杯で
政府は12日、今月中旬から日本で開催されるサッカー女子U-20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)に出場する北朝鮮代表団に対し、15日に北京の日本大使館で査証(ビザ)を発給する方針を固めた。申請に基づき約40人分で、代表団は16日に日本入りする予定。複数の関係筋が明らかにした。
入国は特例措置によるもので、2006年10月の北朝鮮による核実験を受け、政府が制裁措置として北朝鮮籍保有者の入国を原則禁止して以降、「最大規模」(政府筋)となる。
日朝関係では、終戦後、北朝鮮に残された日本人の遺骨問題をめぐり日朝赤十字が北京で協議したばかり。政府は暗礁に乗り上げている拉致問題の打開策を模索しており、政府関係者が北朝鮮側と非公式に接触する可能性もある。
政府は6月、「制裁措置に例外を認める特別な事情に当たる」として代表団へのビザ発給方針を決定。8月上旬に北朝鮮から示されたビザ申請リストを精査し、入国容認をあらためて確認した。
制裁措置後、北朝鮮からの入国で最多とされるのは昨年9月のサッカーW杯アジア3次予選時の約30人。今回、政府は100人程度までは受け入れる意向だったが、申請は約40人にとどまった。
U-20女子W杯は、19日から9月8日まで、東京や神戸など5会場で実施される。日本や北朝鮮のほか、米国、ブラジルなど計16カ国が出場。北朝鮮は20日に神戸で初戦を迎える。〔共同〕