中国、米大使公用車襲撃で遺憾の意表明
【ワシントン=中山真】米国務省のヌランド報道官は19日の記者会見で、ロック駐中国大使が乗った公用車が北京の反日デモに参加していた暴徒に取り囲まれて車体に損傷を受けた問題について、中国側から遺憾の意の表明があったことを明らかにした。ロック大使にけがはなかったが、米国務省は中国外務省に大使館員の安全確保の徹底を求めていた。
中国政府は反日デモで日系企業などに及んだ被害を巡っては明確な責任を認めていない。
ヌランド氏によると、18日にロック氏が乗った公用車が在北京大使館の敷地内に入る際に50人近いデモ参加者に囲まれた。「どのような動機があったかは分からない」としながらも、米大使館は日本大使館に近接していたことがきっかけとなった可能性に触れた。
カーニー米大統領報道官は19日の記者会見で、日本政府による沖縄県の尖閣諸島の国有化に反発する中国のデモに関連し「良好な日中関係はこの地域全体の利益になると信じている」と述べ、沈静化を呼びかけた。「尖閣諸島に対する米国の政策はこれまでと変わっていない」とも指摘した。