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スマホチルドレンと向き合う大人の3カ条

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日経電子版テクノロジーで連載中の「スマホチルドレンの憂鬱」の筆者である兵庫県立大学の竹内和雄准教授が、このほど都内で開いた電子版有料会員限定セミナーで講演した。悪ふざけ写真の投稿や対話アプリ「LINE(ライン)」を通じたネットいじめなど、子どもとスマートフォン(スマホ)を巡る問題が次々に発生するなか、大人たちはどう対応すればいいのか。竹内氏は子どもを守るための処方箋を実例を交えながら熱く語った。

子どもたちの「常識」を知れ

子どもたちの間ではLINEが絡む問題が多発しています。ある小学校ではスマホの所持率は3割にもかかわらず、LINEをしている割合は全体の8割にも達しています。実は「iPodタッチ」などの携帯音楽プレーヤーや親のスマホ、勉強用のタブレット(多機能携帯端末)などを使ってやっているんです。LINEをしないと仲間はずれになってしまうようです。

実際にあった事件を紹介しましょう。ある中学校の、とある3年生のクラスである晩、LINEでコメントをやりとりしていくうちにメンバーみんなで映画館に行こうという話になりました。話がまとまった1時間後、コメントのやりとりに参加していなかったA君がLINEに参加。映画に行くということを知り「僕も行く」とコメントしました。もちろんメンバーはみんな大歓迎です。どういう交通手段で来るかをA君に聞こうとB君が「何で来る?」とコメントを打ち込みました。すると、なぜかA君の態度は一変。「やっぱ行くのやめる」と書き込みました。なぜでしょうか。

実はB君の「何で来る?」の質問をA君は「お前は来るなよ」と否定的な意味で受けとってしまったのです。こうなると関係修復が大変です。「考えて書けばいいのではないか」と突っ込みたいところですが、そうもいきません。

従来型携帯電話「ガラケー」が普及していたころ、メールには「3分ルール」といわれるものが存在していました。3分以上返信がないと仲間はずれにされるというものです。でもこれを今の子どもたちに言うと、「3分? うらやましい。『既読』ついて3分たってたら友達なくす。いまは2秒だよ」とびっくりされます。既読とはLINEでメッセージを読んだら、読んだことを示す「既読」という表示をメッセージの送り主に表示する機能のこと。これがあるために彼らは「読んだら早く返事をしなくてはいけない」と焦っています。だから、考えながら返信する時間なんてないのです。これがLINEでトラブルが多くなる原因の一つです。

こんなことを聞くと、我々は「子どもたちには常識がないのではないか」と思うかもしれません。でも、彼らにはこれが常識です。大人と常識の中身が違う。我々が思う以上に、彼らは彼らの中で通用する常識に忠実に従って行動しているのです。

子どもたちにわからせるには

もう一つ、最近炎上した事件を紹介します。ある看護学校の学生が人体解剖したときの写真をツイッターで公開しました。写真には人間の臓器も映っており、「グロ注意。病院の患者さんの大腸もあるよ」と書き込みました。これがネット上で大騒ぎになり炎上。学校の校長が謝罪文をネット上に掲載し、学生も退学する事態にまで発展しました。ネット上ではこの学生の名前がさらされ、事件は看護業界にも広まっています。

こうしたネットの危険性を子どもたちにどう教えればいいのでしょうか。昨夏、若者がアルバイト先の飲食店の冷蔵庫に入るなど悪ふざけした画像が相次ぎネット上を駆け巡った事件では、若者側に対し損害賠償が請求されています。こうした事件については子どもたちも知っているのですが、「損害賠償」の意味はわかっていません。「画像をネットに載せた人は休業補償として3000万~5000万円も払う必要がある」と教えても、「先生、脅さないでよ。わたしたちは未成年だから払わなくていいんでしょ」と言うんです。

そこで「君たちに代わってお父さんやお母さんが払わなくてはいけないんだ」「名前も写真もネット上にずっと残って、結婚や就職にも影響するんだ」と教えると、「それならやめよう」と初めて言います。単に「危険だからやめなさい」と言っても子どもたちには伝わりません。実例を基に彼らに響くように説明しなくてはいけません。

子どもたちは「私は大丈夫だ」と本当に安易に考えています。悪ふざけ画像も多くの場合、最初はLINEのメンバーしか見られない状態だったのでしょう。でも、けんかや仲間割れしたとき、メンバーの誰かが仕返ししてやろうと、悪ふざけしたときの写真をばらまくケースが多いのです。もはや別れた恋人の裸の写真をばらまく「リベンジポルノ」と同じ原理です。「リベンジけんか」とも言えるでしょうか。こうやって昔の悪ふざけ写真がネット上に公開されてしまうんですね。

出会い系サイトで性的被害にあった女の子に聞くと、男たちは「優しかった」「悩みを聞いてくれた」と恋愛感情を抱いてしまっています。一方、加害者の男たちは「話を聞くふりをすれば、女の子はどんどんついてくる」と言います。ネットに逃げる女の子はみんな寂しいのです。「ネット上の男はやばい」ということは頭の中ではわかっているのに「お母さんが話を聞いてくれない」「そばにいてくれない」と、命懸けでネット上に逃げているんです。

スマホ問題は心の問題

教員や親がこうした子どもたちをきゅっとつかまえられたら、ネットやスマホの問題の9割が消えると思います。親子できっちり話せる環境をつくる。教員だったら楽しいクラスをつくる。そういうことなのではないでしょうか。スマホやネットの問題は心の問題なのです。

包丁だって使い方を教えるとき「野菜をネコの手のようにして持つんだよ」なんて教えますよね。日本の社会では、こうやって様々なことについてルールが何となく共有されています。でもスマホにはまだそういうルールがありません。スマホやネットのそれ自体は悪くありません。「こんな危険があるよ」と社会みんなで教えるための議論が必要です。

ネットやスマホの常識は日々変化し、大人は子どもの知識量にはかないません。そこで子どもと向き合うために大人が心がけるべきことを3つを提案します。まず、いつでも相談にのる姿勢を示すこと。2つ目は「自分はスマホやネットについて詳しくないけれど、詳しく知っている人を知っている」と伝えること。知ったかぶりをしても子どもたちにはすぐにばれます。3つ目は暴走しないこと。「危険だ、やめなさい」と言いたいことをいうのではなく、子どもの意見も聞いてあげる姿勢が大切です。

(2014年2月28日、日経電子版有料会員限定セミナーにて)

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