四国電力、中間配当見送り 4~9月は最終赤字に
四国電力は29日、2012年4~9月期の配当(中間配当)を見送ると発表した。伊方原子力発電所(愛媛県伊方町)の再稼働が遅れ、業績悪化に歯止めがかからないことが背景。四国電が中間配当を見送るのは1980年以来、32年ぶり。前期の中間配当実績は30円。期末配当については未定としている。
配当を見送るのは、原発を代替するために火力発電の比率が上がり、燃料費が急増しているため。同日発表した12年4~9月期の連結業績予想は、燃料費の増加で営業損益が240億円の赤字(前年同期は305億円の黒字)となる見込み。最終損益は180億円の赤字(同160億円の黒字)を見込む。通期業績予想は未定とした。
中間配当の見送りに合わせて経費削減にも取り組む。発電所の修繕費や広告宣伝費などを抑制し、年間150億円の費用減につなげるほか、社長をはじめ常勤取締役12人の報酬を7月から一律2割減額した。
東日本大震災の発生後に止めていた社債の発行も再開する。千葉昭社長は同日の記者会見で「9月にも機関投資家向けに5年物、10年物を200億円ずつ発行する方向で準備を進めている」と説明した。
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