原発事故で福島のチョウに異常 琉球大チーム調査
琉球大学の大瀧丈二准教授らは、東京電力福島第1原子力発電所事故による放射性物質の影響で、チョウの一種「ヤマトシジミ」に遺伝的な異常が出たとする調査結果をまとめた。昆虫は放射線に比較的強いといわれていたが、弱い種には事故の影響が及んだ。
ヤマトシジミは人が生活する場所に多く生息する。研究チームは昨年5月と9月、福島県内のほか茨城、東京など計10カ所で採集した。
5月に集めた成虫から産まれた卵をふ化させて育て、孫の世代まで調べたところ、いわき市や広野町など福島県内のチョウは、子の世代で死ぬ確率が他の地域より高かった。放射線量が高い地域ほど、オスの羽のサイズが小さくなっていた。事故による放射性物質の影響がほとんどないとみられる沖縄のヤマトシジミを被ばくさせた実験でも、同様の異常が現れた。〔共同〕
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