東電の賠償支払い1兆円超える 文科省審査会で公表
東京電力は3日、福島第1原子力発電所の事故に伴う賠償の支払総額が7月末現在で、仮払いを含めて約1兆795億円に上ったと発表した。同社の内藤義博副社長が文部科学省原子力損害賠償紛争審査会(会長・能見善久学習院大教授)で明らかにした。賠償の支払件数は個人と企業などの法人を合わせて約78万8000件。
福島県内の自主避難者への支払いは約60万6000件、総額約2597億円だった。内藤副社長は今後の賠償業務を加速するために賠償相談を受け付ける「福島原子力補償相談室」を1万人以上の体制とする意向を表明。「引き続き真摯に賠償に取り組む」と述べた。
一方、賠償額を不服とする被害者と東電の間の和解を進める政府の「原子力損害賠償紛争解決センター」も、受理した申し立ての受付件数が7月までに3398件となったことを公表した。
そのうち、和解などに至っていない「未済」件数は2719件に上っており、紛争審査会の能見会長は「未済件数が多すぎる」として、センター側に担当者の増員を求めた。
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