5月経常黒字、6割減の2151億円 LNG輸入膨らむ
財務省が9日発表した5月の国際収支速報によると、モノやサービス、配当、利子など海外との総合的な取引状況を示す経常収支は2151億円の黒字となった。黒字額は前年同月比62.6%縮小した。原子力発電所の停止で液化天然ガス(LNG)の輸入が膨らみ、貿易収支の赤字幅が拡大したことが影響した。
貿易収支は8482億円の赤字で、3カ月連続の赤字となった。東日本大震災の影響で昨年落ち込んだ自動車輸出の反動増がみられた半面、火力発電所の利用拡大に伴いLNGの輸入量が増加。原油の値上がりも輸入額の伸びにつながった。
旅行や輸送などの動向を示すサービス収支は928億円の赤字だった。これにより貿易・サービス収支では9410億円の赤字となり、15カ月連続の赤字となった。
企業が海外投資から受け取る利子や配当などを示す所得収支は1兆2737億円の黒字となり、黒字幅は前年同月よりも11.7%縮小した。