記録的大雪、死者8人に 東名で最大50キロ渋滞
関東甲信に記録的な大雪をもたらした低気圧の影響で15日午後、東北の太平洋側は雪が強まり、福島市で観測史上4番目の54センチ、宮城県白石市で観測史上最多の57センチの積雪を観測した。気象庁によると、15日までに観測史上最多積雪を更新したのは、関東甲信と東北の7県15地点に達した。
雪の影響とみられる事故などで死亡が確認されたのは、14日の降り始めから群馬、埼玉、山梨、長野、静岡、滋賀、大分の各県で計8人となった。
14日は滋賀、大分両県で2人が交通事故などで死亡。15日は静岡県の多重事故で男性が死亡し、群馬、埼玉、長野の3県では雪の重みで落ちた車庫などの屋根の下敷きになり3人が死亡した。山梨県では徒歩で帰宅途中の女性が死亡。凍死とみられる。群馬県では車内で見つかった男性が死亡した。一酸化炭素中毒とみられる。
埼玉県富士見市の市立市民総合体育館では同日朝、メーンアリーナの屋根が崩落しているのが見つかった。けが人はなかった。
大雪の峠を越えた関東では午後に晴れ間も広がったが、空の便は欠航が相次ぎ、新幹線の運転見合わせや首都圏の高速道路で通行止めが続いた。
東名高速上り線の渋滞は15日午後、静岡県内で最大約50キロとなり、約19時間立ち往生した車もあった。福島市の国道では車約100台が立ち往生、福島県が陸上自衛隊に災害派遣を要請した。仙台市では少なくとも3カ所で雪崩が発生。約80台が動けなくなり、警察などが救助を進めた。
低気圧の接近に伴い沿岸部を中心に風も強まり、福島県猪苗代町では15日昼ごろ、観測史上最も強い風速20.6メートルを観測した。
気象庁によると、東北では16日まで大雪が続く所があるほか、冬型の気圧配置が強まり北陸でも大雪となる見込み。16日夕までの24時間降雪量はいずれも多い所で東北と北陸で70センチ、関東甲信60センチと予想している。〔共同〕