成長戦略改定を議論 政府の産業競争力会議
政府は20日午前、年明け初めての産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を首相官邸で開き、6月の成長戦略の改定に向けた議論を始めた。同日に決める検討方針には、法人実効税率の引き下げに向け、法人税を納める企業を増やす課税ベースの拡大などを明記。専業主婦を優遇する配偶者控除の見直しの検討などを掲げ、女性の就労促進策も柱の一つに据える。
検討方針には雇用・人材、医療・介護、農業を中心に、昨年の成長戦略「日本再興戦略」で踏み込み不足との指摘が出た項目が並ぶ。関係する省庁や団体などの抵抗が強いテーマが多く、安倍政権がどこまで実行できるかが焦点。民間議員を交えて具体策を練る。
医療分野では、複数の医療法人や社会福祉法人をまとめて運営できる制度の創設などを議論。持ち株会社の仕組みの解禁で病院や介護施設を一体運営できれば経営の効率化が見込める。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に関する農業分野では、農協や農業生産法人の改革も対象だ。
競争力会議では、今後3年間で実施する成長戦略の実行計画もまとめ、21日に閣議決定する。産業の新陳代謝を促す企業支援や、地域を限って規制を緩める国家戦略特区などに関する具体的な内容や実施時期、担当閣僚を明記。計画の実行に向け、24日召集の通常国会で約30の関連法案の成立をめざす。毎年1月に計画の達成具合や進捗状況を確認する。