民主、造反60人超の見方広がる 25日に代議士会
首相は賛成呼びかけ
26日に予定する社会保障と税の一体改革関連法案の衆院採決を巡り、反対票を投じる民主党議員は約50人に達し、欠席・棄権を含めた造反は60人を超えるとの見方が22日、党内に広がった。野田佳彦首相(民主党代表)は25日、党所属の衆院議員を集めた臨時代議士会を開き、賛成を呼びかける。離党・新党結成の構えをみせる小沢一郎元代表も22日、結束固めを図り、首相と元代表の双方の動きが激しくなっている。
首相周辺と民主党執行部は22日、法案への賛否を明確にしていない党所属議員に電話をかけ、賛成するよう説得を続けた。党幹部は「現時点では反対は約50人で、棄権と合わせると60人を上回る」と分析。一体改革法案には自民、公明両党が賛成するため可決は揺らがないが、離党者が増えて与党が過半数割れすればその後の政権運営が困難になるため、離党予備軍の切り崩しを目指す。
元代表は同日、衆院議員会館の事務所でグループ議員らと党内情勢を巡り協議した。衆院採決で反対した後の離党・新党結成を検討しており、周辺は離党届に署名した議員は40人を超えたとしている。元代表の側近は「反対は50人を超え、棄権も含めると70人以上になる」としている。
樽床伸二幹事長代行は記者会見で、造反議員の処分について「過去の事例を踏まえてしっかり対応したい」と述べた。民主党では過去に法案への反対を理由に除名した例はなく、厳しい処分に伴う党分裂を避けたいという姿勢を示した発言だ。
衆院採決で自民、公明両党は賛成する方針で、法案が可決する見通しは変わらないが、民主党は党分裂の可能性が強まる中、造反規模を巡る攻防が熱を帯びている。