原発事故の告訴・告発を受理 検察当局が捜査着手へ
東京地検や福島地検などの検察当局は1日、東京電力福島第1原発事故を巡り、東電幹部や政府関係者らに刑事責任があるとした業務上過失致死傷容疑などでの告訴・告発を一斉に受理した。今後、関係者から任意で事情を聴くほか、政府や国会などの事故調査委員会が収集した資料の分析を始めるなど捜査を開始する。
検察当局によると、告発されたのは、東電の勝俣恒久前会長や清水正孝元社長ら当時の東電幹部のほか、菅直人前首相、班目春樹原子力安全委員長ら約40人。福島県の被災者や市民団体などが、各地検に告訴・告発した。
告訴・告発状によると、東電幹部や政府関係者が原発の安全対策を怠った結果、事故が発生。避難した入院患者らを死亡させ、住民を被曝(ひばく)させたことが業務上過失致死傷罪に当たるとしている。菅前首相らも事故の応急措置を取らず、原子炉等規制法に違反したと主張している。
福島地検は福島県民ら約1300人が提出した東電幹部(当時)や原子力安全委員会幹部ら33人に対する告訴・告発を受理した。各地検は、政府や国会などの事故調査委員会の結果が出そろうまで受理を留保していた。