コンビニWiFi活用術 限定グッズやクーポン入手
コンビニエンスストアの店内で無料の無線LAN(構内情報通信網)に接続してインターネットを利用したり、割引クーポンの配信を受けたりする人が増えている。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及に合わせてコンビニ各社がネット環境を拡充。店舗限定のお得なサービスを目当てに来店するスマホ利用者も目立ってきた。
「野球のチケットをプレゼント」「ゲームに参加してオリジナルグッズをもらおう」――。セブンイレブンの店内で無線LANに接続すると、お得なサービスを紹介するサイトが表示される。セブン&アイ・ホールディングスが始めた無料の無線LANサービス「セブンスポット」だ。
独自のコンテンツ
これまでに人気アイドルグループ「AKB48」の画像や野球選手のグッズのほか、グループ会社の西武百貨店で開催する催事の招待券などを配信してきた。
セブンスポットは6月時点で1071店が導入し、来年2月までに全店に広げる予定。無線通信規格「WiFi」に対応したスマホを持ち、セブンスポットやネット通販「セブンネットショッピング」の会員登録をすれば利用できる。来店時にスマホのWiFi接続を「オン」にしてサイトにアクセス。利用は1回につき最大60分で、1日のアクセスは3回までに限られる。
店舗にはNTT東日本の光回線を引いており、無線LANの基地局を取り付けた。NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクモバイルのいずれの加入者でもネット接続でき、スマホはiPhone(アイフォーン)と米グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載した端末に対応している。
ローソンも無線LANサービスを9400店に導入。共通ポイント「ポンタ」の会員向けに展開している。事前にアプリをダウンロードし、来店時に起動させるとWiFiでネット接続できるようになる。
利用回数や時間に制限は設けていない。利用できるのはアンドロイド搭載端末で、アイフォーン向けは月内にも対応する予定。オリジナルの動画や音楽、電子書籍などのコンテンツが利用できる。
来店者に限定したクーポンサービスも提供する。店内の情報端末「ロッピー」にスマホのQRコードをかざすとクーポンが発券される。「特典サービスの内容が充実し、アプリの利用が一気に増えてきた」(会員企画部の内山敦司部長)という。
サークルKサンクスとミニストップもほとんどの店舗でWiFiサービスが使える。サークルKはKDDI、ミニストップはソフトバンクモバイルのWiFiスポットを導入している。
SNS(交流サイト)やビジネス目的で安定したネット接続を期待してコンビニに来店するケースも増えているようだ。
最近ではスマホの普及に伴って通信回線が混雑し、つながりにくい場所もみられるようになった。一方、WiFiの接続エリアでは高速のネット通信サービスが利用できるため、動画の視聴やデータのダウンロードがしやすく、人気を集めている。
災害時にも役立つ
こうしたコンビニの無線LANサービスを知っておくと、地震などの災害時にも役立つ。セブンイレブンは災害時にセブンスポットを会員以外にも開放する方針。携帯電話会社の回線がつながりにくくなったときも電話による連絡手段が確保できるようにする。店舗には蓄電池を配備し、停電にも対応できる体制にしている。
街中でよく見かけるコンビニはちょっとした買い物で利用することが多い。来店した機会をうまく活用し、ネットにつないだり、お得なクーポンを使ったりすることで節約にもつながる。各社のサービス内容を見比べて、お気に入りの店舗を選ぶといいかもしれない。
(消費産業部 古山和弘)
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