日ロエネルギー協力の強化で一致 経産相がロシア担当相と
【サンクトペテルブルク(ロシア北西部)=石川陽平】枝野幸男経済産業相は24日、サンクトペテルブルクでロシアのノワク・エネルギー相と会談し、エネルギー分野で日ロ協力を強化する方針で一致した。会談後、共同建設で大筋合意している極東ウラジオストクの液化天然ガス(LNG)基地の計画を両政府が支援していく内容の覚書に署名した。
会談で枝野経産相は「日ロ間では様々な具体的なプロジェクトが前進している」と指摘。サハリン大陸棚の石油・天然ガス開発事業「サハリン3」への日本企業の参加に期待を表明した。
ノワク・エネルギー相は省エネ分野での協力強化や、ウラジオストク近郊での化学コンビナート建設への日本企業の参加に期待すると伝えた。東シベリアでの油田・ガス田の開発に共同で取り組むことでも一致した。
ロシア国営ガス会社ガスプロムが計画するLNG基地は年産1千万トンで、日本のLNG輸入量の約13%に当たる。枝野経産相は会談後、福島第1原子力発電所の事故で発電用のガス需要が急増したことを踏まえ「エネルギー供給源が多様化される」と強調した。
LNG基地の実現に向け、ガスプロムは2011年に伊藤忠商事など日本企業と共同で事業化への調査を実施した。24日の覚書では「(日ロ両政府が)必要に応じた支援を行う」として、金融支援など政府の関与を強める方針を示した。
枝野経産相はアジア太平洋経済協力会議(APEC)のエネルギー担当相会合に出席するためサンクトペテルブルクを訪問している。
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