蘭ハイネケン、シンガポールの同業買収提案
【シンガポール=佐藤大和】蘭ハイネケンは20日、シンガポールのビール大手、アジア・パシフィック・ブルワリーズ(APB)に対する買収提案を発表した。ハイネケンは現在同社の株式の42%を握るが、51億シンガポールドル(3200億円)を投じて、残りの全株取得を目指す。同40%を保有する飲食品・不動産グループ、フレイザー・アンド・ニーブ(F&N)が売却に応じるかが焦点だ。
APBはアルコール需要の拡大が続く東南アジア各国で「タイガー」などの有力ブランドを展開する。ハイネケンとF&NはこれまでAPBの大株主同士として友好関係にあったが、タイの大手ビールメーカーが今週、市場外の相対取引でF&Nの筆頭株主に突如浮上。「状況が変わった」としてハイネケンはAPBの単独経営を狙う。
F&Nの第2位株主であるキリンホールディングスの意向も「アジアのビール再編」の行方のカギを握る。
関連企業・業界