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日本、スペイン戦は奇跡でなく「必然の勝利」

サッカージャーナリスト 大住良之

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「奇跡と言っていいのでしょうか、それとも必然の勝利ですか」

記者のこんな質問に、主将の吉田麻也(VVVフェンロ)は笑いながら応えた。

「僕らからすれば『必然』と言いたいけれど、それはメディアの皆さんが書くことでしょう。『グラスゴーの奇跡』ですか?」

「奇跡」ではない。日本は勝つべくしてスペインに勝った。

8年ぶりの五輪での白星

ロンドン・オリンピックの男子サッカーで関塚隆監督率いるU-23(23歳以下)日本代表は26日、グラスゴーでスペインと対戦し、前半34分のFW大津祐樹(ボルシアMG)のゴールで1-0の勝利を飾った。オリンピックでの勝利は2004年アテネ大会第3戦のガーナ戦(1-0)以来のことだ。

相手は昨年U-21欧州選手権を制覇し、今大会でも優勝候補の一角に挙げられているスペイン。バルセロナ、チェルシーなど欧州の強豪クラブに所属する選手がずらりと並んでおり、日本は劣勢を予想された。

立ち上がりは苦しかった。スペインのプレーのテンポについていけず、振り回される時間が続いた。しかし10分を過ぎるとそれにも慣れ、以後は関塚監督のプランどおりの試合になった。

果敢にプレス

日本は前線の選手たちが相手ボールに果敢にプレスをかけ、スペインが余裕をもってボールを回すのを妨げた。そこで取り切れなくても、スペインといえどもパスが限定され、不正確になる。そのため、DFの選手たちが体を寄せて奪うことができた。

そしてときに前線のプレスがうまくはまると、日本はFW永井謙佑(名古屋)のスピードを生かしてチャンスをつくった。

スペインはさすがにうまく、なかなかボールが奪えなかったが、プレーに変化が乏しく、動いた先へのパスでなく、足元へのつなぎが多いため、日本は時間がたつほどに安定したプレーができるようになった。

そして前半34分、右CKを得た日本はMF扇原貴宏(C大阪)が鋭く曲がるボールをけった。日本で最も身長が高いDF吉田(189センチ)が待ち受け、そこにスペインの守備陣3人が群がるように競りかかる。

大津ならではのフィーリングでゴール

しかしボールは吉田の頭上を越えていき、落下点に走り込んだのはFW大津。ショートバウンドで難しいボールだったが、大津ならではのフィーリングで合わせてゴールにたたき込んだ。

そしてその7分後、相手DF間のバックパス。中央で受けたDFイニゴ・マルティネスに永井が鋭く詰めた。

慌ててコントロールを失ったマルティネスからボールを奪った永井が、いったん相手に背を向けてキープ、次の瞬間にターンしてゴールに向いたところをマルティネスがつかみ倒すと、ゲイガー主審(米国)が強く笛を吹く。

すぐに立ち上がった永井は右の東に短くつなぐと、ゴールはがら空き。東は楽々と"2点目"をけり込んだ、はずだった。

ところがゲイガー主審はこれを認めず、マルティネスにレッドカードを突きつけた。笛が吹かれた直後、永井は正しい位置にボールを止め、すばやくFKを行った。主審としては、これを認めるべきだったのではないだろうか。

そして結果として得点になったのなら、マルティネスにイエローカードだけで良かったのではないだろうか。

最後まで2点目を狙う姿勢崩さず

後半、10人になりながらもスペインは攻撃的な姿勢を貫き、日本はFW陣が足を止めずに相手を追ってボールを奪い、再三にわたって決定機をつくった。

ここで決めきれなかったのは痛かったが、最後まで日本がカウンターで2点目を狙う姿勢を崩さなかったことが勝利につながった。

前線の4人とボランチの追い込みぶり、それが単独ではなく、2人目、3人目と続くプレーが90分間途絶えることがなかったのは、素晴らしい驚きだった。

全員の献身でつかんだ勝利

得点を取ったのは大津だった。相手を精神的に追い詰めたのは永井のスピードだった。だがこの試合は、間違いなく全員の献身でつかみ取ったものだった。

あえて1人ヒーローを挙げろといわれたら、私はボランチの山口蛍(C大阪)の名前を出したい。90分間の集中力、相手への詰めの厳しさ、さらにボールを奪った後の落ち着いたさばきだけでなく、しばしば最前線のサポートやFWを追い越してゴールに迫る動きも見せ、非のうちどころがなかった。

相手よりたくさん走り、90分間その動きを落とさなかった。だから奇跡ではなく、必然の勝利なのだ。

「マイアミの奇跡」を起こした後は…

選手たちの落ち着きが、それを証明している。スペインに勝っても、残りの2試合に負けたら何の意味もない。

29日に戦う第2戦の相手モロッコも、そしてそのモロッコと2-2で引き分け、日本の第3戦の相手となるホンジュラスも、フィジカルが強く、スピードがあり、日本にとってはスペイン以上にやりにくい相手になりそうだ。それは選手たちも十分承知している。

96年アトランタ大会のこと。日本は初戦でブラジルを1-0で破って「マイアミの奇跡」と言われながら、第2戦のナイジェリア戦で消極的になり、結局グループリーグを突破できなかった。そうした歴史を、今のイレブンは知っている。

東京での壮行試合(11日、ニュージーランドと1-1)以来、試合を重ねるたびに調子を上げている日本。モロッコ戦は、きっと、もっともっと良くなる。

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