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「大阪ファッション戦争」激化 梅田の次は心斎橋

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2011年に大型商業施設の開業ラッシュに沸いた大阪中心部で、新たな戦いが始まろうとしている。ミナミの中心地・心斎橋エリアに2012年春、国内外のファッションブランドの旗艦店が続々オープンした。昨年は震災による外国人観光客の激減と梅田や阿倍野地区の躍進で苦戦したが、2012年に入って盛り返している。

高い集客力が強みのターミナル立地とは異なり、休日にしか行けない"わざわざ立地"にもかかわらず、出店ラッシュとなっている理由は――。心斎橋筋商店街を舞台に激化するグローバルファッション企業の戦いを追った。

「大丸北館」開業を機に心斎橋筋商店街への出店相次ぐ

「心斎橋筋といえば昔は百貨店を中心に老舗専門店が並び、40代以上の経済的に余裕のある客が多かったが、店の顔ぶれも客層もすっかり変わってしまった。高くていいものが売れなくなり、低価格の洋服や雑貨を扱う店、ドラッグストアなどが入るようになった。時代の潮流によって心斎橋筋商店街の趣も変わっている」(心斎橋筋商店街のビルオーナー)。

心斎橋はかつて「東の銀座、西の心斎橋」と並び称され、老舗専門店が軒を連ねていた。バブル崩壊後の1990年代後半からは、「シャネル」「ルイ・ヴィトン」といったラグジュアリーブランドが相次いで進出。梅田や難波にはない立地環境が海外ブランドの出店条件に合い、日本有数の高級ブランド街を形成していった。御堂筋と長堀通の交差点を起点に、現在も多くのブランドが大型路面店を構えている。一方、御堂筋と並行する心斎橋筋商店街は若者層の来街者が増え、客層とのズレや経営環境の悪化を理由に転廃業が相次いだ。

テナントの顔ぶれに大きな変化が現れたのは3年前。閉店したそごう心斎橋本店をJフロントリテイリングが取得し、大丸大阪・心斎橋店「北館」を開業したのがきっかけだ。40代以上を主要顧客とする本館に対し、北館では20~30代女性をターゲットに設定。"マルキュー系"人気ブランドを集積した「うふふガールズ」を新設し、それまで取り込めていなかった若い女性の獲得に成功した。

翌2010年春、日本でのファストファッションブームをけん引したスウェーデン発の「H&M」が、関西初の店舗として戎橋に出店。地下鉄心斎橋駅で下車し、うふふガールズを見てから心斎橋筋商店街を南下、H&Mを経てなんばシティやマルイのある難波駅方面へと歩くルートが生まれた。

同年秋には、心斎橋筋商店街の北端にユニクロが国内初のグローバル旗艦店をオープン。さらに旧ユニクロ心斎橋店をジーユーに業態転換し、激安衣料で都心部進出を果たした。スペイン発の「ZARA」は2007年に出店。約530メートル南にも心斎橋店をオープンし、若者からOL、ビジネスマンまで幅広い顧客を獲得している。H&Mも2011年秋、1号店の向かいに戎橋2号店をオープン。1号店をウィメンズ専門店、2号店をウィメンズとメンズの複合店とし、依然、圧倒的な集客力を誇っている。

これらグローバルファッション企業の進出は、ブランド誘致や既存店の業績にプラスに働いている。2009年時点で「平日7万人、土日12~13万人」だった通行量は、現在「平日12万人、土日17万人」に増加。「ビームス」「アーバンリサーチストア」「ローズバッド」といった人気セレクトショップも商店街に出店し始めた。

心斎橋筋商店街に婦人服専門店を4店舗出店する玉屋の商品統括MD・島川光博氏は、商店街の現状をこう語る。「ファストファッションの大型店が集積したことで、ファミリー層と中国人を中心としたアジア人観光客が増えた。大型連休や盆休み、正月は特に多く、売れ筋もほかの地域と異なる。梅田や阿倍野が話題を集めた2011年を除けば、ここ数年売り上げは伸びている」

島川氏によると、アジア人観光客の割合は売り上げ全体の2~4割を占めるという。外国人観光客を含めた来街者の増加が、商業地としての心斎橋筋の価値を高めている。

海外有力ブランドも心斎橋の集客力に期待

心斎橋筋商店街の集客力の高さに着目し、今春、国内外の有力ブランドが相次ぎ、旗艦店級の大型路面店を出店している。

ZARAなど8業態を展開するインディテックスグループは、2012年3月16日、ZARAの妹ブランド「ベルシュカ」の関西1号店を開業した。2011年4月、東京・渋谷に国内1号店を出店した後、関東に3店舗、福岡に1店舗を展開。大阪心斎橋店は5店舗目で、4月19日には東京・お台場の商業施設「ダイバーシティ東京 プラザ」にもオープンした。

大阪心斎橋店の店舗面積は713平方メートルで、地下1階がメンズ、1~2階がウィメンズの3フロア構成。「ファッション・音楽・SNS、携帯電話、テクノロジーに興味を持つ若い男女」をターゲットに、ウエアから靴、アクセサリーまで旬のアイテムをフルラインで展開する。

同店は戎橋に近いZARA大阪心斎橋店の斜め向かいに出店。ZARA2店舗の業績が好調なことから、心斎橋筋への出店を決めた。ゴールデンウィーク中もベルシュカ大阪心斎橋店には若い女性客やカップル客が大勢来店。オープン以降、売り上げは非常に好調という。

ベルシュカとは通りを挟んで南隣に出店したのが、米国ブランド「トミー ヒルフィガー」。2012年4月16日、東京・原宿の商業施設「東急プラザ表参道原宿」にアジア最大級の旗艦店を出店したのに続き、同月25日に大阪最大の路面店をオープンした。

店舗面積は776平米。1階がメンズとデニム、2階がウィメンズ、3階がゴルフウェアと子供服の3フロアで構成する。店内はクラシックな要素にモダンとヴィンテージのディテールを織り交ぜた内装で、同ブランドが持つ「クラシック・アメリカン・クール」の世界を表現した。

心斎橋筋について、トミー ヒルフィガージャパンは「西日本屈指の集客力を誇り、ラグジュアリーブランドやファストファッションが共存する魅力的なエリア」と評価。心斎橋店を世界に24店舗しかない「アンカーストア」に位置付けている。

「商店街が一種の商業施設のように機能している」

国内ブランドではベイクルーズグループのJS.ワークスが4月26日、セレクトショップ「ジャーナルスタンダード心斎橋店」をオープンした。2フロアで店舗面積897平米。国内最大規模の広さを有し、関西の旗艦店となる。

店内はジャーナルスタンダード特有のロフト感を残し、米国東海岸のテイストを加えて開放感あふれる空間を演出。従来はメンズ、レディスで売り場を分けていたが、1、2階ともにメンズ、レディス両方そろえ、ブランドごとに提案する売り場も設けた。

主力ブランド「ジャーナルスタンダード」に加え、メンズの「ジャーナルスタンダード トライセクト」「J.S.ホームステッド」、レディスの「ジャーナルスタンダード レサージュ」を展開。国内レディスブランド「ガサ」やインド人デザイナーが手掛ける英国ブランド「アシシュ」、米国バッグブランド「フィルソン」など、国内外の人気ブランドも多数そろえる。

同社の正木恒明CEOは心斎橋店について、「ファッション感度の高い顧客に来店してもらえるよう、新しいジャーナルスタンダードの世界観を表現した。心斎橋筋は新店舗にふさわしい立地環境を備えている。一番の魅力は通行量の多さ。周辺にはハイブランドも集積し、商店街が一種の商業施設のように機能している」という。

ジャーナルスタンダード心斎橋店と至近にあるユニクロ心斎橋店の向かいでは、2011年秋に「心斎橋パルコ」が閉店。2013年春開業の予定で、パルコの新事業「心斎橋ゼロゲート(仮称)」への建て替え工事が進んでいる。

地下1階~地上4階には、H&Mの国内最大級の旗艦店が出店。オープンすれば、心斎橋筋の北端と南端を制することになり、GAPも含めたグローバルSPAの顧客争奪戦にさらなる拍車がかかりそうだ。

ジャーナルスタンダード心斎橋店と至近にあるユニクロ心斎橋店の向かいでは、2011年秋に「心斎橋パルコ」が閉店。2013年春開業の予定で、パルコの新事業「心斎橋ゼロゲート(仮称)」への建て替え工事が進んでいる。

地下1階~地上4階には、H&Mの国内最大級の旗艦店が出店。オープンすれば、心斎橋筋の北端と南端を制することになり、GAPも含めたグローバルSPAの顧客争奪戦にさらなる拍車がかかりそうだ。

開発が続くキタに対抗、「休日にわざわざ行きたい街」目指す

「2011年は、大阪ステーションシティやあべのキューズモールの開業、高島屋の増床オープンが話題を集め、心斎橋は取り残された感があった」と話すのは、大丸松坂屋百貨店のPR広報・森千世氏。北館の開業以降、増収ベースで推移していたが、大震災と市内の開業・増床ラッシュの影響で、2011年度の売り上げは前年比5%減となった。

同店の好調要因でもあった外国人観光客が震災を機に激減。免税売り上げも2011年4月時点で前年比20%まで低下した。その後、徐々に回復し、2012年4月には震災前を大幅に超えるレベルまで戻っている。

全体の売り上げも4月は前々年並みをクリア。前期に行ったさまざまな施策が今期に入って成果を上げはじめているという。とりわけ好調な本館の特選ゾーンでは「クリスチャン・ルブタン」「バレンシアガ」など人気ブランドを導入。さらにミセスの婦人服フロアだった北館6階を改装し、生活雑貨の「無印良品」「フランフラン」を導入して回遊性の改善を図った。

2012年春には大型手芸専門店「ユザワヤ」を導入したほか、婦人雑貨売り場を15年ぶりに再構築。「うふふガールズ」でもウィッグ専門店やメイクサービス、インナーの新ブランドを導入し、雑貨のウエイトを高めている。さらに、堅調に伸びている外商にも力を入れ、ラグジュアリーブランドや美術品などの高額品市場を引き続き開拓する。

ただ、富裕層向けの高額品市場はほかの百貨店でも売り上げが伸びている。今年11月下旬にグランドオープンする阪急百貨店うめだ本店でも、特選ゾーンが注目売り場になるのは必至。見どころ満載の新店舗に対抗するには、さらなる仕掛けが必要だ。

梅田地区では、都心最後の一等地と呼ばれる「うめきた(大阪駅北地区)」の開発も進行中。先行開発区域プロジェクト「グランフロント大阪」は2013年春竣工の予定で、完成すれば心斎橋は再び苦戦することが予想される。それを見越してか、大手セレクトショップのなかには、大阪ステーションシティの「ルクア」にも出店している店舗が少なくない。

「心斎橋は梅田や難波のようなターミナル立地と異なり、わざわざ行く街。休日に行きたくなるような街になるよう地域ぐるみで取り組まないといけない」と森氏。島川氏も「心斎橋筋に今後進出する店舗としては、日本特有のアニメやコスプレといったアキバ系ファッションやグッズが増えそう」といい、観光地特有の非日常な空間に期待する。

いずれにしても、引き続きエリア内・地域間で競争が激化するのは避けられないが、心斎橋は世界から注目される立地環境にあり、工夫次第では大きく化ける可能性を秘めているといえる。

(ライター 橋長初代)

[日経トレンディネット2012年5月12日掲載]

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