原子力規制委法案、衆院通過へ
原子力安全行政を一元的に担う独立性の高い原子力規制委員会を設置する法案が15日午後の衆院本会議で可決、衆院通過する。原子力発電所を運転から原則40年で廃炉にする方針を明記したが、原子力規制委が再度判断できる規定も盛り込んだ。原子炉の冷却などは規制委が判断するとして首相の指示権を制限する。法案は参院でも午後の本会議で審議入りし、今国会で成立する見通しだ。
原発事故などが起きた場合、技術的・専門的な知識が必要な判断は規制委に委ねる。規制委の判断に基づき首相は自衛隊や消防、警察に住民の避難対策や原子炉への放水などを指示する。
規制委は9月までに発足する見通し。独立性の高い国家行政組織法第3条に基づく「三条委員会」とする。有識者で構成し事務局として原子力規制庁を置く。規制庁に移った場合に出身省庁に戻さない「ノーリターン・ルール」は経過措置を設けて原則として全職員に適用。平時の防災体制として、首相を議長とし全閣僚らで構成する原子力防災会議を創設する。
関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働への手続きが大詰めを迎え、地元自治体などは新規制組織の早期設置を求めていた。
関連企業・業界