携帯純増数、ソフトバンク連続首位 ドコモ苦戦
5月、iPhone人気鮮明
携帯電話会社3社が7日発表した5月の携帯電話契約件数によると、新規契約から解約を差し引いた純増数はソフトバンク傘下のソフトバンクモバイルが25万8100件で5カ月連続の首位だった。2位はKDDIの19万9000件で、米アップルのスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)「iPhone(アイフォーン)4S」の人気が支えとなった。3位はNTTドコモで、純増数は12万6600件だった。
NTTドコモの苦戦は同じ電話番号を使いながら携帯会社を変更できる「番号持ち運び制度(MNP)」でも目立つ。各社によると、5月はKDDIで約5万6000件の転入超過で、2011年9月から転入が転出を上回っている。ソフトバンクモバイルも約3万5000件の転入超過。NTTドコモは9万件強の転出超過で、他社への顧客流出が09年2月から続いている。
NTTドコモは高速携帯電話サービス「Xi(クロッシィ)」の普及に力を入れ、5月から2台目購入でXiのタブレット端末かデータ端末を選ぶ場合、割り引くサービスの対象範囲を広げた。5月の純増数はXiを使ったデータプランの利用者の寄与が大きく、「タブレット端末の需要を取り込めている」とみている。携帯購入から約2年が経過した人を対象にXiの機種に変える場合の特別割引サービスを5月から始め、10年以上の利用者のXiへの変更でも割り引きを開始するなど他社への流出抑止策も打ち出している。
それでも他の2社の勢いに追いつかないのはiPhone4Sのような人気機種を持つかどうかの違いにある。ソフトバンクモバイルの場合、アップルの新型「iPad(アイパッド)」も寄与したほか、プラチナバンドと呼ばれる新周波数帯に対応した「PANTONE4」も売れているという。〔日経QUICKニュース〕
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