大阪都法案、5党が大筋合意 人口200万人で特別区
民主、自民、公明、みんな、国民新の与野党5党は、橋下徹大阪市長が掲げる「大阪都構想」の実現を後押しする各党提出の3法案の修正で大筋合意した。政令市単独または政令市と周辺自治体の総人口が200万人以上の大都市圏で東京23区のような特別区をつくれるようにし、住民投票で賛否を問う。5党は今国会に修正を踏まえた新法案の共同提出を目指す。
市名 | 人口 |
---|---|
東京23区 | 約900万 |
横 浜 | 370万 |
大 阪 | 267万 |
名古屋 | 227万 |
札 幌 | 193万 |
神 戸 | 154万 |
福 岡 | 149万 |
京 都 | 147万 |
川 崎 | 144万 |
さいたま | 123万 |
法案が成立すれば特別区の住民は区長や区議を直接選挙で選べる。区ごとに予算を編成し、ゴミ収集なども地域の実情に合わせて決められる。
現行制度では、政令市にある区の区長は市長が市の職員から任命することが多い。住民に身近な行政サービスも基本的には市が決め、区の役割は戸籍や国民健康保険、年金の窓口業務などに限られるケースが大半だ。
国政を担う主要政党が「都構想法案」づくりで歩調を合わせたのは、次期衆院選をにらんで大阪維新の会との争点をなくしつつ、連携の芽を残す狙いがあるとみられる。
一方、「みやこ」や「首都」を示す「都」という言葉遣いに関しては自治体首長らの間にも賛否両論ある。東京都の石原慎太郎知事は二重行政を解消する大阪都構想の趣旨には理解を示したうえで、名称に関しては異論を唱えている。
焦点となった総務相との「事前協議」の範囲は予算や税源配分など法律が必要な事項の変更のみに限定し、その他の事項は総務相への「報告」で対応する。与党案は国の関与が残る内容だったが、自公案は国との事前協議は不要だとして総務相への「説明」にとどめていた。
法律の形式をめぐっては民主、国民新両党が都構想をあくまで特例的な措置とする新法を提案。自公両党やみんなの党などは地方自治法の改正で対応すべきだと主張していたが、最終的に新法の提出で折り合った。
特別区に再編できる区域の範囲などをめぐって調整が難航している部分もあり、5党で引き続き協議したうえで来週中の正式合意を目指す。
5党は今国会に法案を提出する考えだが、成立するかどうかは審議時間が十分確保できるかどうかによる。地方自治法を所管する総務相は消費増税法案の地方税分に関して国会答弁を担っており、成立時期は不透明だ。