関電社長「脱原発は絶対にない」 株主総会終え
関西電力の八木誠社長は27日、株主総会後に大阪市内で会見し「脱原発は絶対にない」と述べ、今後も原子力発電が重要な電源であるとの認識を示した。総会では脱原発を求める議案など28件の株主提案は全て反対多数で否決された。
――脱原発の株主提案が多かった。
「脱原発依存の声はひしひしと伝わってきた。福島第1原発事故を踏まえた安全対策を行ったうえで、エネルギーの安全保障や地球温暖化などの観点から原子力が重要な電源であることもしっかり説明できた」
――脱原発の株主提案に対する賛成票は相当数にのぼるとみられる。
「(多様な電源を生かす)エネルギーミックスに関してエネルギー・環境会議で議論されている。当社としては議論を真摯にうけとめ、適切に対応する。脱原発は絶対にない」
――国の政策が脱原発になった場合、どう対応する。
「先般、野田総理が原子力は重要な電源であるとの考えを示している。野田総理がそうした考え方を示したことは大変心強く思っている」
――地方自治体が初めて株主提案をした。
「真摯に受け止め総会で審議した。当社は地域に根ざした企業であり、自治体とも色々な形でコミュニケーションをとって要望に応えられるようにしていく。エネルギーを地域の皆様と共に考え、当社の事業を理解していただきたい」
――大阪市の橋下徹市長が「関電はつぶれるのでは」と発言した。
「貴重な意見として受け止める。そういうことにならないよう経営陣が一丸となって企業の経営改善に努めてまいりたい」
――電気代の値上げについての考え方は。
「大飯原発3、4号機の再稼働だけだった場合、2400億円強の燃料費増で2013年3月期は5000億円くらいの赤字になる。大変厳しい状況。万が一そういう状況になれば、ありとあらゆる選択肢を考える必要がある」
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