民主内の攻防ヤマ場 首相、25日に賛成呼びかけ
26日に予定する消費増税関連法案の衆院採決を控え、民主党執行部は24日、法案に反対する同党議員の説得を続けた。野田佳彦首相は25日、同党の全衆院議員を対象とした臨時代議士会に出席し賛成を呼びかける。小沢一郎元代表の支持グループを中心とした増税反対派は24日、地元で「反増税」を訴え、25日には会合を開いて結束を確認する。衆院採決に向けた攻防はヤマ場を迎えた。
民主党の城島光力国会対策委員長は24日のNHK番組で、衆院採決で同党から54人以上が反対、離党し、与党が半数を割り込む可能性が出ていることについて「そうならないように全力で取り組まないといけない。今、個別的なフォローをしっかりしているところだ」と強調。党分裂を避けるため反対派の切り崩しに全力を挙げる考えを示した。
城島氏は造反者への対応をめぐり「過去の事例をしっかり検証して対処する」と述べた。民主党はこれまで法案採決の造反で除名の例はなく、除名を避けたい考えを示した発言だ。同時に「党内事情で採決を先送りすることは考えにくい」と、26日採決を目指す立場を繰り返した。
岡田克也副総理は24日、都内で講演し「最後の胸突き八丁だ。首相が『政治生命をかける』と言った法案に賛成をしないで与党議員としての責任を果たせるのか」と力説。「(反対派を)手分けをして説得している。ただ、だいたい留守電でコールバックは非常に少ない」とも語った。
小沢グループの増税反対派は24日、地元で支援者や有権者に法案採決で反対する方針を説明し、理解を求めた。元代表は25日の臨時代議士会の後、都内のホテルに反対派を集め党内に「数の力」を誇示する戦術だ。