第一生命とT&D、株価回復で最終増益　12年3月期

第一生命保険が15日発表した2012年3月期決算は、連結最終利益が204億円と前の期比6%増えた。太陽生命保険や大同生命保険を傘下に持つT&Dホールディングスが同日発表した連結純利益も268億円と12%伸びた。ともに株価の回復で減損損失が減り、東日本大震災の際に積み増した準備金の戻し入れが利益を押し上げた。

第一生命の本業の利益を表す基礎利益は3199億円と17%増えた。震災関係の保険金支払いに備えて積んだ準備金の戻し入れが140億円生じたことが主因。法人税率引き下げに伴う繰り延べ税金資産の取り崩しが750億円発生したものの、危険準備金を790億円取り崩して最終増益を確保した。保険料等収入は銀行窓販が好調で7%増の3兆5395億円だった。

13年3月期の最終利益は不動産の減損損失などの反動で前期比23%増の250億円を見込む。配当は1株あたり1600円に据え置く。

T&Dホールディングスの13年3月期の最終利益は35%増の360億円を見込む。前期に繰り延べ税金資産を取り崩した反動が利益を押し上げる。