福島第1原発1号機、圧力抑制室周辺で毎時10シーベルト
東京電力は27日、福島第1原子力発電所1号機の格納容器下部にある圧力抑制室を収めた「トーラス室」にたまった汚染水の放射線量を測定したところ、最大で毎時10シーベルト超だったと発表した。格納容器内では2号機で毎時73シーベルトと高い数値を測定しているが、格納容器の外での実測値として過去最大レベルという。
東電は原子炉に注水した水が格納容器からトーラス室を経由して、流出しているとみている。今回の放射線量の測定は、損傷場所の特定などに役立てるつもりだが、毎時10シーベルトは人が1時間いると高い確率で死亡する放射線量。廃炉作業が極めて難航することが改めて浮き彫りになった。
放射線量は汚染水近くの空気中で毎時19.5ミリシーベルト~4520ミリシーベルトで、水面のすぐ真上になると毎時10.3シーベルトに達した。その後、水中では底部に近づくにつれて徐々に値は下がったが、ある地点を境に桁違いな数値に跳ね上がった。東電はこの数値について「線量計が故障したとみられる」と説明した。
工業用内視鏡で汚染水の深さが5メートル超であることを確認した。底面などにさびのような堆積物があったが、汚染水の漏洩箇所は特定できなかった。水中が濁っており、60センチメートル先までしか内視鏡で見通せなかった。
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